2012.01.12 Thursday
新年文化部その1 −曽根崎心中−
きょうは珍しく
おすすめ図書などを。
「曽根崎心中」/ 角田光代 (リトルモア)です。
年始は、落語で「紺屋高尾」をみたという事もあり、
遊女もの、ちょっと気になっていたところ。
年末出版されて、ちょこちょこinstaや、twitterなどで
レビューめいたものも上がっていたので読んでみることに。
読み始めて20pくらいでしくしく泣き始め、
最後まであっという間の2時間、
新年早々嗚咽沙汰の号泣ものでした。
近松門左衛門の原作は読んでいないので、わからないのですが
この角田版は遊女「初」の主観で書かれていて
彼女の揺れる恋心、胸が張り裂けそうな思いが痛いほどの描写に
胸をつかまれっぱなしでした。
「彼は私のところに来ないときは、他の女を抱いてるのかしら」と
嫉妬しますが、
彼が会いに来てくれるとすっかり忘れ、
また帰ってしまうと疑心暗鬼になってしまう、、
会えないときのあの、もやもや・・・!!
そんなループあるよーーー。ほんとに!!!
そして、結局は「自分」なのよね。
彼がたとえ嘘をついていようが、
「私」が信じてさえいればそれは真実になる。
心中でしか実を結ぶことができない恋は、
切なくもあるけど、羨ましくもあります。
人を愛する事は自分を愛する事。
まだまだ、私は自分を愛しきれてないのかなー、なんて
思いました。
おススメです☆